現代日本語研究会
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第1回結果

第1回(2007年度)には、七編の研究論文を応募いただき、現代日本語研究会内部審査委員及び外部研究者の査読による審査を行い、受賞者を決定いたしました。

第1回(2007年)発表  佳作…1名  本賞…なし

現代日本語研究会『ことばとジェンダー』賞審査委員会 2007.7.10

佳作受賞者名       鷲 留美(敬省略)

(論文題目)       言語的偏見の逆用-作法としての言葉遣い教育の成立と展開

(受賞理由)       本論文は明治~大正期の200編の「礼式作法書」の記述を考察することにより、近代日本において、女性の作法としての言葉遣い(女言葉)が政策的・意図的に形成されて行く過程を明らかにしたものである。この種の先行研究に類を見ない多数の資料を分析し、興味深い言説の事例を時系列的に列挙することにより、女性の言葉の丁寧さや礼儀正しさに、「女らしさ」としての価値を付加されていった過程を詳しく示しており、社会のジェンダー枠組みが作られていく様子を明らかにしようとした意欲的な論文である。博士論文の一章を加筆修正したとのことで、研究方法・資料・具体例や数値・定義付けなどにおいて本論文の範囲では十分に記述がされず、論証の根拠がやや弱いのではないか、表題の「逆用」など、術語の意味がわかりにくいなどの意見もあり、審査委員会では本賞ではなく佳作とするのが妥当であると判断し、授賞を決定した。

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