第7回「ことばとジェンダー」賞 発表 2013・7・13
現代日本語研究会「ことばとジェンダー」賞審査委員会
第7回「ことばとジェンダー」賞は下記のとおり、特別賞授賞を決定しました。本賞受 賞者はありませんでした。
「ことばとジェンダー」賞 佳作受賞者 徐 阿貴
(論文題目)『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成–大阪の夜間中学を核とした運動』御茶の水書房 2012年
(授賞理由)本書を貫いているのは、夜間中学の存続をめぐる戦いである。 戦いの結果として、女性たちは文字の獲得だけでなく、社会を知り、目覚めていく。女性たちへの聞き取り調査から、女性たちの思考や価値観が新しく 切り開かれていく過程が浮かび上がってきていて、貴重な報告になっている。 本研究は、夜間中学存続の運動の報告としての価値は大きいが、本賞の主旨 である「言語研究を通して社会のジェンダー枠組みへの改革を目指し、ジェンダー規範を突き崩す意欲・意図を持つ」の「言語研究を通して」の部分に 対する論究が不十分なため「特別賞」とする。