現代日本語研究会
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第2回結果

第2回「ことばとジェンダー」賞 発表 2008・7・13

現代日本語研究会「ことばとジェンダー」賞審査委員会

第2回「ことばとジェンダー」賞は下記のとおり、佳作授賞を決定しました。本賞受賞者はありませんでした。

「ことばとジェンダー」賞は寿岳章子さんを記念して創設されました。言語研究を通して社会のジェンダー枠組みへの改革を目指し、ジェンダー規範を突き崩す意欲・意図を持つ個人の著述に対して授与する賞であり、特に斬新な視点で言語研究に取り組んでいる新進・中堅の研究者を励まし、研究を奨励する賞として、論文を公募したものです。

「ことばとジェンダー」賞 佳作受賞者 渋谷 倫子

(論文題目)日本語における「近代的」セクシュアリティの形成

(授賞理由)本論文は、明治期の「女性語」の特徴とされる「てよだわ」ことばの成立を論じている。従来、「てよだわ」ことばは、明治期の女学生間に流行し明治以降の「女性語」の源流となったとされているが、その流布の実態への疑義が本論文の出発点となっている。論考の結果、女学生が日本社会に希少な存在であり、ラジオのようなマスコミの発達していなかった明治期に、実際に話しことばで使われ広まったとみるのは妥当でなく、文学のヒロインのことばに採用されたために、伝統的な女性の美徳を象徴する話し方と見なされ、女性らしいことばの規範とされた、という新たな知見を得ている。本論文の「女性語」の成立に対する問題提起と、それを解明する創造的な論究を評価して、授賞の理由とする。しかしながら、論文題目である、「日本語における『近代的』セクシュアリティの形成」と、論旨の実情が一致しない点があること、また、論文中に不適当な用語の使用がみられることにより、本賞ではなく佳作とすることにした。

受賞者講演および記念懇親会のお知らせ

現代日本語研究会主催「夏のワークショップ」において、以下のとおり、受賞者講演および記念懇親会を行います。

日時 2008年8月18日(月)

授賞式 午後2時~2時半 受賞者講演・討議 午後3時~5時

その後記念懇親会を行います

場所 ヌエック国立女性教育会館

(東武東上線武蔵嵐山駅下車 徒歩15分 http://www.nwec.jp/)

電話 0493-62-6711 FAX 0493-62-6720

(お問い合わせ)

「ことばとジェンダー」賞に関するお問い合わせ、および受賞者講演・記念懇親会への参加申し込みはgnk-summerworkshop@hotmail.co.jpまでご連絡ください。

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